少し落ち着いたところで、たれっちと車窓を見る。新千歳空港のはずだが、よくわからない。

　　
苫小牧を過ぎて、左手には太平洋が広がる。
そして、右手に樽前山が見える。山の向こうが支笏湖になる。


室蘭を過ぎて、再び海。上の写真とほとんど変わらないが、海が見えると嬉しくなって撮ってしまう。
ちなみに、このあたりは内浦湾になる。


洞爺駅に到着。だからなに？というところだが、まあ、サミットもあるし。

ちなみに、ここから先は、翌朝の新津まで停車しない。より正確には停車するのだが、乗降はできない。
まだ午後４時過ぎだし、この先停車しないのは変だとも思ったが、大阪発だとこのあたりでちょうど午前７時になる。
上りと下りとで同じ駅に停車させようとするから、こういうことになるようだ。

　　　
ともかく、しばらく内浦湾沿いを走る。どこだかわからないが、洞爺から森までのどこかのはずである。

　
夕食の準備ができたと案内があったので部屋をでる。「一号車のＡ-1」というのが、私たちの「部屋」のルームナンバーだ。

　
テーブルには、たくさんのナイフ・フォークとともに、メニューが置いてある。
ワインも、ウェルカム・ドリンクだけではなく、いくつかの銘柄が並んでいる。気合が入る。

　
前菜は、「春野菜とハーブのゼリー寄せ　赤ピーマンのソース」
アスパラガス（緑・白）、椎茸、ニンジンが、ローズマリー（たぶん）などの香草ともにゼリー寄せにされている。
まずは、スパークリングワインで乾杯。　

　
次はスープ、「青森産にんにくのクリームスープ」だ。一応、沿線の素材を使っているらしい。
何度も水を替えて下茹でして臭みを抜いたにんにくを、玉葱やポロ葱と一緒に煮込んだ、とのこと。
確かに、にんにくといわれなければ気がつかないほど、にんにく臭さはない。とにかく、美味で濃いスープだ。
というところに、駒ヶ岳の勇姿が。トワイライトエクスプレスは、駒ケ岳の東側を回るように進む。

　
魚料理は、「春の白身魚のポワレ　ジュー・ド・バリグール」
バリグールの意味は調べたが良くわからない。要は、鯛に筍やネギを加えて、バター醤油味で仕上げてある。
青いものは、季節柄タンポポの葉だ（初めて食べた）。白ワインが旨い。食べている間に、一気に夕陽になる。

　
これはいかんと、あせって窓に集中する。山と沼が交互に登場するので、どこが日没かわからない。
左は、大沼の夕陽のはずだ。

　
「牛フィレ肉のグラタン仕立て　北海道産北あかりのムースリーヌとタイム風味のそら豆添え」という長い名前の肉料理。
肉はマッシュルームのソースに卵とバターのソース・オランデーズでおおって焼いてある。
「北あかり」はジャガイモの銘柄、ムースリーヌとは卵黄や生クリームを加えたきめ細かいクリーム上のソースだそうだ。
最後は、赤ワインで締める。右は、大沼か小沼か。駒ケ岳が反転している。太陽の姿はもう見えない。
　
　
デザート「ゴールデンパインのキャラメリゼ　パインクリームと生姜風味のソルベ添え」
キャラメリゼとは砂糖をつけて加熱することらしい。パインと生姜の相性がよいので、この時点で生姜風味のシロップを使ってあるとのこと。
さらに、パイナップルのクリームと生姜風味のシャーベットが添えられている。さっぱりとしたデザートだ。

　
部屋の帰りがけに食堂車の入口を撮る。「プレアデス」というのが食堂車の屋号らしい。
２順目のディナーの後はパブタイムになる。

　
食事を終えて部屋に戻ると、五稜郭駅だった。ここから江差線を経て津軽海峡線に入るため、進行方向が逆になる。
というわけで、ディーゼル機関車は、ここで切り離され去っていく。ちなみに、ここからは電気機関車が牽引する。
晴れて、「最後尾の景色を独り占め」になったわけだが、もう真っ暗だ。


　　
せっかくだから、「最後尾の景色」を撮ってみる。なんだかなあ。

　
トワイライトエクスプレスから見る青函トンネルは、白い線の連なりだ。
サロンカーでは、車掌が青函トンネルの説明をしている。私たちの部屋でも、そのアナウンスが聞こえる。
そして、最深部は青い照明になっていると説明がある。そのとき、青い光が目の前を流れる。
あっけにとられて見ていると、妻が写真を撮ってくれていた。

　
青函トンネルを出て青森駅近くの青森信号場まで進むと、また進行方向が変わる。
つまり、また先頭になるということだ。正面から機関車がやってくる。

　
もっと近くにやってくる。
嬉しそうに写真を撮ってたが、機関車からは浴衣姿でカメラを構える姿がすっかり見られていたかのもしれない。