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「ヒルダ」に入れ込んでいた和田慎二の基本に忠実な物語
―――和田慎二「わが友フランケンシュタイン」を読む(2008.11.29)
リアルタイムで読んでいた懐かしさから、古本屋で見つけた本。
まだ別冊マーガレット時代の1972年から75年に描かれた連作を1994年に復刻したものだ。
子供のころは、読み応えのある雄大なストーリーと思っていたのだが、
短いもので32ページ、長いもので72ページという長さなので、
今の感覚で読むと、駆け足で物語が進んでいる感じがある。
「フランケンシュタインは見た目は怖いけど心はやさしい」、
「それに気づくのは、純粋な子ども」という基本に忠実な物語だ。
登場人物の善悪も、はっきりしている。
長さからすると、これくらいがちょうど良かったのだろう。
それはそれとして、和田慎二本人も書いているけど、
ヒロインの名前が「ヒルダ」というあたりが、
和田慎二の「太陽の王子ホルスの大冒険」への入れ込み具合がよくわかる。
確かに「ホルス」的な世界観は、
フランケンシュタインシリーズにもに通じている感じだ。
* 和田慎二は、2011年7月5日に61歳の若さで亡くなっている。
1970年代の作品を復刻した1994年の本を2008年に読むというのも、なかなかに長い縁だ。(2020年2月)
Wikipedia内「わが友フランケンシュタイン」ページ
Wikipedia内和田慎二ページ
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